「ASEAN世界遺産の旅」、第3回目となる今回はマレーシアとフィリピン、ラオスを紹介します。マレーシアはマレー、中国、インドなどの文化が独自性を保ちながら調和する複合民族国家。昨年、新たにマラッカとジョージタウン、マラッカ海峡の古都群が世界遺産に登録されました。フィリピンは太平洋に浮かぶ7107もの島からなる群島国家。ヨーロッパなどのさまざまな影響を受け独特な文化を形成しています。ラオスは高原、山岳地帯、メコン川など自然に恵まれ多くの民族が共存しています。主にクメール帝国時代の1000年以上前に設計された遺跡郡がいまもその姿を残しています。

キナバル国立公園
ボルネオ島北部、マレーシアのサバ州にあるキナバル国立公園には、標高4,095mのキナバル山がそびえ立ちます。麓の豊かな熱帯低地帯や熱帯雨林に始まり、山地森林帯、亜高山帯森林帯、低木帯、と標高に応じて幅広く植物が分布しています。東南アジアにおける植物多様性の中心ともいわれ、熱帯地方に分布する植物のほか、ヒマラヤ、中国、オーストラリア、マレーシアのものなど、非常に豊かな植物相がみられます。

グヌン・ムル国立公園
ボルネオ島のサラワク州に位置するこの国立公園には、多様な生態系とカルスト地形が見られます。52,864ヘクタールの中に17の植生帯があり、3,500種の維管束植物(シダ植物と種子植物)が生えています。特にヤシ植物の種が豊富で、20属109種が記録されています。2,377mのグヌン・ムル(ムル山)の尖峰がそびえ、これまでに確認されている計295kmの洞窟の数々は壮観で、何百万ものツバメやコウモリが生息しています。

マラッカとジョージタウン、マラッカ海峡の古都群
マラッカ海峡沿いに位置するふたつの歴史的な町、マラッカとジョージタウンは、500年間にわ たり、マラッカ海峡の東洋と西洋の交易と文化交流の地として栄えてきました。アジアとヨーロッパの影響は、様々な形の複合文化遺産としてふたつの都市に見受けられます。マラッカの建造物、教会、広場や砦は、15世紀初期のマレー人サルタンの時代や、16世紀初頭に始まったポルトガルやオランダによる 統治の影響を受けたものです。一方、ペナン島のジョージタウンには18世紀終わりの英国時代に建てられた住居や商館が残っています。ふたつの町の独特な 建築的、文化的な町並みは、他のアジアの国には比類のないものです。

フィリピンのバロック様式教会
マニラ、サンタマリア、パオアイ、ミアガオにあるこれら4つの教会は16世紀後半のスペインによる建築の中でも初期のもので、中華系・フィリピン系職人がヨーロッパバロック様式を再解釈して建てた独特な様式です。

トゥバタハ岩礁自然公園
広大な面積を誇る公園には、ノース・リーフとサウス・リーフと呼ばれるリーフ(礁)があり、環礁には様々な海洋生物が生息します。北の小島には鳥類やウミガメの巣や産卵地があります。100メートルのドロップオフ、珊瑚でできた島や、ラグーンなど手つかずの珊瑚礁が見られるすばらしいスポットです。

フィリピン・コルディレラの棚田
ルソン島北部山岳地帯に暮らすイフガオ族は2,000年もの間、山の斜面に棚田を作ってきました。イフガオ族特有の神聖な伝統や独特の社会構成は代々受け継がれ、その結果、人間と自然の調和を象徴するかのような美しい棚田が今日に残されました。

プエルト・プリンセサ地下河川国立公園
すばらしい石灰石のカルスト地形と地底川があり、この川は海に直接注ぎ込むため、下流では潮の影響を受けています。この一帯は多種多様な生物の生息地となっており、山から海まで続く生態系をはじめ、アジアのなかでも重要な森林地を含んでいます。

ビガン歴史地区
16世紀に造られた町ビガンは、スペイン植民地時代に設計されたアジアの町の中でも最も保存状態がよい町です。フィリピン、中国、ヨーロッパの様々な影響を受け、東アジア・東南アジアでも類を見ない独特な文化と街並みが残されています。

ルアンパバーンの町
ラオスの伝統的な建物や都市の構造と、19世紀から20世紀にかけての植民地時代の当局による建物や都市構造がすばらしく融合した町です。その独特な街並みは保存状態がよく、ラオスとフランスというまったく異なる二つの文化が調和していった主要な時期を例証しています。

ワット・プーとチャンパサック文化圏の関連遺跡
1,000年以上前に設計された遺跡群です。ヒンドゥー教における自然と人間の関係を表現するために、山頂から川岸を軸として寺院や祠、水道などが10kmにわたって幾何学的に配置されています。この一帯は5世紀から15世紀にかけて発展した所で、主にクメール帝国時代のものです。