BIZトラベル > Professional Eyes > 現地レポート > 一生に一度は見てみたい、幻想的なロイクラトン祭り
現地レポート
■日本人にもなじみやすい季節の風物詩
 「ロイクラトン」とは「ロイ=流す」「クラトン=灯篭」つまり灯篭流しのこと。陰暦の12月の満月の夜、川の神様に収穫への感謝と祈りを込めて灯篭を流すタイの伝統行事です。罪や汚れを水に流し、魂を清めるという意味も含まれており、仏教徒で農民の多いタイならではのお祭りですが、日本人にも通じるものがあります。現在の暦では10月または11月の満月の夜に行われ、この時期になると毎年国中の川や池、ホテルのプールなど水のあるところならどこでも無数の灯篭が流される、季節の風物詩となっています。今年の満月は11月21日の日曜日。この日が近づくとどの町でもお祭りの準備が始まり、人々はなんとなく浮き足立ちます。
 ちょうど週末に当たるためか、タイ北部一の大都市、文化と歴史の町チェンマイでも、爆竹を鳴らし花火を打ち上げる人があり、数日前から大盛り上がり。今でも城壁が残り、普段は古都らしいしっとりした雰囲気が漂う旧市街も、ターペー門を中心にお堀のところどころに動物や花の形の巨大な灯篭が浮かべられ、若者や家族連れが集まりにぎやかでした。
 
■まずはチェンマイで感動体験を
 チェンマイでは例年、この時期に「イーペン・サンサーイ・フローティング・ランタン・セレモニー」と呼ばれる儀式が開催されます。こちらは仏陀を尊び天に感謝を捧げる仏教の祭典で、陰暦の2月に行われるものでしたが、長い年月を経て現在はロイクラトン祭りと同時期の開催になったそう。「コムローイ」と呼ばれるランタン(和紙でできた熱気球のようなもの)に火をつけ、願いを込めて空に放つ儀式です。コムローイを上げること自体はどこでも行われていますが、ランナー・カッティナ・メディテーション・センターがチェンマイ郊外のメージョーで主催するこの儀式はものすごいと大評判。実はチェンマイではロイクラトンではなく、こちらが祭りのお目当てでもあります。
 会場まではチェンマイ中心地から車で約30分の道のり。けれど、集まってくる人ごみで駐車場に入るまでに1時間近くかかりました。通りには、コムローイはもちろんのこと、焼き鳥や焼きバナナといったスナック類やおもちゃを売る屋台がひしめいています。その様子を車中から眺めているだけで、会場に入る前からいやおうなく気分が盛り上がってきました。
 
■火をともすのが意外と難しい
 儀式はまず、数十人の僧侶による読経から始まりました。瞑想も含め1時間ほどですが、英語による案内もあるのでちゃんと儀式についていくことができます。そしていよいよ用意されたコムローイに火をつける段に。参加者にはそれぞれ直径1メートルほどのコムローイが3つ用意されていて、最初のひとつに火をつけ一斉に飛ばします。しかし実はこれが意外と簡単ではありません。
 コムローイは熱気球と同じ原理で、大きな和紙でできたちょうちんのような物体を たちのぼる熱気で膨らませ、完全に膨らんだところで手を離すと浮かび上がります。しかし直径1メートルもあると1人では水平に持つことすらできないうえに、炎が紙に燃え移らないよう、膨らむまで紙の部分を持ち上げていなくてはなりません。この作業に必ず数人の手を要するのです。
 失敗して地上でめらめらとコムローイを燃やしてしまう人もいる中、イベントスタッフの手を借りてなんとか火をつけ、膨らんだコムローイを支え(手を放すとと飛んでいってしまう)つつ、しばし待ちます。
 
写真提供 岩佐史絵
取材協力 タイ国政府観光庁 大阪事務所
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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